静岡市の社会保険労務士事務所。助成金、給与計算、就業規則なら河合優一郎社会保険労務士事務所。元SEであり、元ソフト開発会社の人事担当者です。

2.賃金の決定、賃金支払の5原則、賃金の控除

(1)賃金の決定
賃金については、使用者と労働者の間で締結する雇用契約に基づいて決められます。
労働基準法では、「使用者は、雇用契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」と定められています。【労動基準法第15条】
また、常時10人以上の労働者を使用する事業所の使用者は、就業規則の作成義務があり、就業規則の中に、賃金の決定、計算及び支払方法を記載する必要があります。【労働基準法第89条】
(2)賃金支払の5原則
賃金の支払については、①通貨で、②直接、③全額を、④毎月1回以上、⑤一定の期日に支払わなければならないと規定されています。【労働基準法第24条】
① 通貨払の原則
賃金は、原則として通貨で支払わなければなりません。ただし、法令に別段の定めがある場合や、労働協約に別段の定めがある場合などについては例外が認められることもあります。また、口座振込みによる賃金支払の場合は、労働者の自由意思による同意を得て、本人が指定する本人名義の口座に、賃金全額が支払日当日に払い出し得るという状況であれば、同法第24条に違反しません。
② 直接払の原則
賃金は、原則として直接労働者に支払わなければならず、親権者や代理人への支払は認められません。ただし、単なる使者に対して支払うことは差し支えありません。
③ 全額払の原則
賃金は、その全額を支払わなければなりません。この原則には、相殺の禁止も含まれ、使用者が労働者に対して債権を有していても、原則として労働者の賃金債権と相殺することはできません。
④ 毎月1回以上払の原則、⑤ 一定期日払の原則
賃金は、臨時に支払われる賃金、賞与等を除き、毎月1回以上、一定の期日を定めて、支払わなければなりません。例えば、毎月第4金曜日に支払うというのは、一定期日払に該当しません。

たとえ年俸制であっても、これらの原則は守られなければなりません。

(3)賃金の控除
① 全額払の例外
賃金は全額払が原則ですが、税金の源泉徴収等、法令に定めのある場合と、社宅の費用の徴収等、労使協定がある場合は控除できます。【労働基準法第24条】

② 調整相殺

賃金の相殺は原則禁止されています。ただし、賃金計算のミス等による過払を、次の月の賃金から相殺するなどの場合は、その時期、方法、金額などを考慮して労働者の生活を脅かさない限りは認められます。